Kpopを語る上で欠かせないMusic Video。韓国には数多くのイケてる映像制作チームがあります。中でもオタクがよく名前を出しがちなのがDigipedi。自分も大好きなのですが、今回は彼らの制作したMVから10本選ぶため、デジペディの何が他の映像チームと違うのか、何にここまで惹かれるのか、について自分なりに考えてみました。
デジペディはHipHop、R&B系のアーティストから、清純系〜セクシー系アイドルまで幅広いジャンルのMVを手がけていますが、個人的に彼らが他と一線を画すのは
・ユーモアがある(あたたかいものからブラックなものまで)
・ワンアイディアで押し通す力
・歌詞通りではないけど、歌詞のワンフレーズなりから着想を得て膨らませ、MVならではの景色やストーリーを見せてくれる(その曲の魅力を増幅させてくれる)
ところだと思っています。
傑作がありすぎて絞るのにかなり難航しましたが、上記の特色が良く出ているデジペディっぽい!と思う10曲を選びました。
And July / Heize × DEAN
恋人未満の男女が気持ちを言葉にしていよいよ付き合おうか、という歌詞の曲。
MVはヘイズとDEANのおしゃれカップルが互いに嫌がらせの限りを尽くすという微笑ましい内容となっています。全編コミカルなんだけど途中指輪を渡すシーンがグッとくるんですよね〜(それもまた嫌がらせなわけですが)。
デジペディの映像のオシャレ感とユーモアが光る傑作です。
UP&DOWN / EXID
言わずと知れた、EXIDのブレイクのきっかけとなった大ヒット曲。タイトルに合わせて、とにかく色んな「上下」が出てきます。
振り付けからもわかるように、明らかに「行為」を連想させる曲で、実際に映像で出てくるものもけっこう下品スレスレなのですが、そこはデジペディのコーティングでギリギリ、スタイリッシュな仕上がりになっています(人によってはアウトに感じるかも)。
何よりだいぶ下世話だけどメンバー全員エロ可愛い&カッコイイのが最高!
デジペディは18禁認定されたStellarの「Vibrato」や「Sting」(こちらは誰でも見れます)を始めセクシー系のMVも数多く手掛けており、際どいエロでもギリギリ下品に見せない手腕が重宝されているようです。
Windy Day / Oh My Girl
おまごるは「LIAR LIAR」(これも傑作)と迷ったのですが、ワンアイディアの爆発力がより顕著なこちらを選びました。
インド音楽っぽい?ブレイクがこの曲の特徴だと思うのですが、ブレイクに入ると(タイトル通りに)メンバーが突風に吹かれる、というMVです。
映像がとにかくガーリーで可愛い!曲の展開に合わせて、大自然の中美少女たちが佇む穏やかな映像から、突如風に吹かれる様には謎のカタルシスがあります。
また後半なぜかメンバーに鹿の角が生えるのですが(なぜですか?)これもまた絶妙に可愛いさを引き出しており、さすがと言わざるを得ません。小道具で女子の可愛さを引き出すのもデジペディの魅力の一つですね。
Ah-Choo / Lovelyz
ラブリーズにはあまり詳しくないのですが、初期の三部作におけるデジペディの映像の功績は相当大きいと思われます。
セクシー系のMVを手がける一方で、少女性の表現にも類稀な才能を発揮するデジペディ、一体何者なんだ?
この曲も、少女たちが「隠れんぼする」様子をひたすら色んなシチュエーションで繋げていく「ワンアイディア」型のMVですね。
直接言えない秘めた気持ちについて歌った歌詞を「隠れんぼ」になぞらえてると思われますが、もう天才としか言いようがありません。
アイドルってそもそも可愛いので可愛く撮れて当然なのですが、デジペディは「女の子のこういう仕草ってかわいいよね」というところまで踏み込んで演出してるのが魅力だと思います。
初期のOh My GirlとLovelyz どちらも「少女性」を表現したMVの最高峰だと思いますが、どちらもちゃんとグループの個性を活かし(もちろん事務所による曲や歌詞などの世界観の違いが大きいですが)全く違うものになっているのも凄いです。
Very Nice / SEVENTEEN
近年のセブチはクールでスタイリッシュなMVが多く、VM projectや最近ではRigend Filmとの仕事が続いていますが、初期はコミカルなMVが印象的でした。中でも今作は曲の疾走感を活かしつつ、セブチの等身大な魅力を引き出していると思います。まさに青春!
サビで恋に落ちたメンバーの胸から次々と紙吹雪(?)が飛び散るシーン、曲の高まりと映像が見事にハマっていて気持ちが良いです。
このシーン、実際にメンバーの胸に紙吹雪を仕込んで噴出?させてるわけですが、CGに頼らずなるべくアナログで見せようとするのもデジペディの良さですね(逆にガチガチのCGを使った作品はあまり得意じゃないと思われる)。
デジペディがダンスがメインのボーイズグループを撮るのは珍しいので、そういう意味でも貴重!(ちなみに日本オリジナルの「CALL CALL CALL」もデジペディ作品です)
恋に落ちた瞬間の演出は後にChuu(LOONA)の「Heart Attack」でも使われていますね。
あと相手役の女の子めっちゃ可愛い。
Copycat / Orange Caramel
最初にデジペディを認識したのは、たぶんオレキャラがきっかけだったと思います。
とにかく全力でアホに取り組むユニット。デジペディが持ち前のユーモアセンスをフル活用して、そのアホさを映像で見事に増幅させてると思います。デジペディじゃないと絶対に成立しないユニットと言っても過言ではない。
3人がお寿司になるマカレナが一番メジャーかと思いますが、「間違い探し」がテーマの今作もオシャレな映像に見せかけてアホさがキラリと光っていておすすめです。
オレキャラ復活してくれないかな…!
Daddy / PSY
悪趣味ここに極まれりというMVなので好き嫌いは分かれると思いますが(ちなみに自分はどちらかというと嫌いです)冒頭幼女がバタバタと倒れていくところ、本当に謎の中毒性がある。
まあでもPSYは誰が撮ってもPSYかな…。
Love Bomb / fromis_9
タイトルどおり、fromis_9を爆弾にしちゃえ!というMV。めっちゃ可愛い!
作曲を担当したDavid Amberが曲のイメージを完璧に表現してくれた!とインタビューで絶賛していました。
fromis_9はデビュー曲からデジペディがMVを手掛けていますが、制服コンセプトから脱制服と路線が変わっていく中で、デジペディの映像が大きな役割を果たしていると思います。
One&Only / Gowon(LOONA)
紛れもない傑作。
曲の浮遊感、ゴウォンの歌声、映像が三位一体となり、非常に中毒性が高いMVとなっています。
洋館が舞台のMVはkpopでも割とよく見られますが、その中でも一味違う仕上がり。
特に影の使い方が素晴らしくて、中盤から少女の影が意思を持ち動き出す描写には本当にときめいてしまいます。天才!
歌詞の一節
私と歩幅を合わせて歩いてくれた影が一歩先に近づいた時 闇も明るく感じられるの
から着想を得てると思われますが、歌詞が描き出すドリーミーな世界を見事に映像化しています。この曲、歌詞も素晴らしいので是非チェックしてみてほしい。
また、縦と横の大胆なフレーミングの変化もたぶん効果的に作用してる思うのですが、そこら辺は素人なのでよくわかりません。
Heart Attack / Chuu(LOONA)
個人的kpopかわいいMV部門第1位!
恋に落ちてハートを射抜かれた女の子の歌、その相手役をMVでは同性の女の子にした。
言ってしまえば、ただそれだけのことなんですが、それだけでこんなも傑作になってしまうの!?という新鮮な驚き。ミステリーで言えば叙述トリック?
片思い中の女の子が意中の相手に様々なアプローチをしかけるのですが、半ばストーカー的ファンサイトと化したそのやり口には笑ってしまいつつ、(恋心の象徴である青い林檎がどんどん大きくなっていく)その余りの健気さにグッときて、ラストは…?
LOONAは、ソロMV公開で初めて動くメンバーを見ることになるのですが、それぞれのメンバーと曲に合わせて、最大限その魅力を引き出す演出がなされていると感じます。
ちなみにチュウの片思いの相手役を演じるイブは、チュウのひとつ前にソロデビューしていた 同じLOONAのメンバーなのですが、チュウと同時にイブのキャラ立て(美人な年上のお姉さん)にも成功している(一粒で二度とおいしい)のも特筆すべきでしょう。
LOONAに興味を持たれた方は、ほぼ全作品デジペディが監督していて他にも傑作揃いなので、ぜひご覧になってみてください!
ということで、デジペディってやっぱり良いですね! 興味を持たれた方は他にも良いMV沢山あるのでチェックしてみてください〜!
Digipediの公式サイト→http://digipedi.net/
Digipediのvimeo →https://vimeo.com/digipediofficial